医薬経済オンライン

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肥満症薬で再びもたげる医師の「使いたい病」

治療効果も経済合理性も置き去り

2024年6月1日号

 今年2月、日本でも肥満症治療薬「ウゴービ」(セマグルチド注射剤)が使えるようになった。ただし美容痩身目的での濫用を防ぎ「恩恵を強く受けることが期待される患者」にのみ用いられるよう、処方には一定の制限がつけられている(23年11月21日発出、厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」)。すなわち「高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれか」を認める「BMIが27㎏/㎡以上」で、さらに複数の肥満関連健康障害がなくてはならない(「BMIが35㎏/㎡以上」ならば「健康障害」不要)。加えて、処方できる施設や医師にもさまざまな制限が設けられた。肥満関連健康障害の診断が必要である以上、やむを得ない。  だが、この「制限」を快く思わない医師も存在する。事実、国際学術誌に過剰規制だと非難する論説が掲載された(※1)。著者は日本人医師たちである。英米に比...  今年2月、日本でも肥満症治療薬「ウゴービ」(セマグルチド注射剤)が使えるようになった。ただし美容痩身目的での濫用を防ぎ「恩恵を強く受けることが期待される患者」にのみ用いられるよう、処方には一定の制限がつけられている(23年11月21日発出、厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」)。すなわち「高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれか」を認める「BMIが27㎏/㎡以上」で、さらに複数の肥満関連健康障害がなくてはならない(「BMIが35㎏/㎡以上」ならば「健康障害」不要)。加えて、処方できる施設や医師にもさまざまな制限が設けられた。肥満関連健康障害の診断が必要である以上、やむを得ない。  だが、この「制限」を快く思わない医師も存在する。事実、国際学術誌に過剰規制だと非難する論説が掲載された(※1)。著者は日本人医師たちである。英米に比べ使

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